空前のサウナブームの中で、全国に次々と素晴らしいサウナ施設が誕生している、世はまさにサウナ戦国時代。
「結局どこが最強なんだ?」というシンプルな問いへの答えが知りたければ見逃せないイベントがあります。
毎年11月11日「ととのえの日」に発表され、全国有数のサウナ施設を表彰する祭典「サウナシュラン」
全国9600箇所以上ものサウナ施設がエントリーし、サウナや水風呂、外気浴スペースそしてホスピタリティに至るまで、さまざまな観点から評価される厳しい戦いに勝ち続け、3年連続グランプののち殿堂入りという偉業を成し遂げたサウナ施設があります。
それが、御船山楽園ホテル「らかんの湯」
九州は佐賀の山奥にあるその施設はなぜそこまで人々を魅了し続けることができるのか。
今回はらかんの湯を実際に体験してきた感想を交えながら日本一のサウナ施設について紹介していきます。
セルフロウリュできるドライサウナ
日本一のサウナとはどんな場所なのか。
期待と興奮、そしてわずかな緊張を胸に宿して「らかんの湯」へと足を踏み入れました。
身体を清め、軽く湯船に浸かって下地を作ったらサウナ室へとむかいます。
山のように準備されたサウナマットを一枚手に取り、ドアを開けるとそこはもう外とは別世界でした。
サウナ室の中は黒を基調としたデザインになっており、テレビなど日常生活のなかにありふれた高刺激なコンテンツは何一つない、非常に上品な落ち着いた雰囲気になっています。
スマホもない、テレビもない。自分と向き合うには最高の環境です。
サウナ室の中心にはサウナストーンが山のように積まれた円柱状のサウナヒーターが置かれているのですが、らかんの湯ではセルフロウリュを楽しむことができます。
サウナヒーターのそばには二つの桶が用意されているのですが、一方は御船山の天然水、もう一方はなんとサウナ専用に焙煎・抽出した佐賀県嬉野産「ほうじ茶」なんです。
らかんの湯に来たからにはほうじ茶ロウリュをせずに帰ることなどできません。
ほうじ茶を汲み、静かにサウナストーンへとかけると、ジュ〜という音とともに水蒸気となったほうじ茶がサウナ室に充満しました。
ほうじ茶の香りはなんとも心地よく、普段、ほうじ茶を飲むことはあっても浴びることはないため、特別な贅沢をしているような気分にさせてくれます。
温泉を冷やした水風呂
黒のサウナを出て次に向かうのはもちろん水風呂です。
らかんの湯の水風呂のすごいところは「温泉である」というところです。
水風呂なのに、温泉という矛盾した響きのわけは、このらかんの湯の水風呂は武雄温泉の厳選を冷やして水風呂に利用しているからなのです。
温度は16℃。水深は深めになっているため、水風呂内の階段を降りていき、立って入るスタイル。
肌触りの柔らかい水に包まれながら空を見上げるその瞬間は最高の一言につきます。
思わずふぁ〜と声が出てる人もいました。すごく気持ちはわかります。
自然と一体になるととのいスペース
外気浴をするために水風呂と同じく屋外にあるととのいスペースへ。
様々なタイプのととのいイスが用意されているのですが、まずは足を伸ばして半分寝た姿勢になれるイスに座ることにしました。
イスに腰掛けようとしたときに驚いたのが、イスの柔らかさです。
グレーっぽい色合いだったため、勝手に石のような硬い素材を想像しており、思わず「柔らかいんかい」と小さな独り言が出ました。
座り心地は抜群。石素材じゃなくてよかった。
山に向かって足を伸ばし、山の緑と空の青、そして雲の白をぼんやりと眺めながら、ふと疑問に思ったことが。
「どこまでがらかんの湯で、どこからが山?」
その名の通り御船山に位置する御船山楽園ホテル「らかんの湯」ですが、もはや山の一部と化しているほど山と施設の境目がわかりません。
自然の創りし御船山と、人の創りしらかんの湯。
自然と人工物がグラデーションのように繋がっている空間の心地良さは、人は太古の昔より自然と共存して生きてきたということを思い知らされているようなスケールの大きさを感じました。
極上の休憩室
らかんの湯には天候に左右されずにゆったりと休憩できる休憩室が用意されています。
露天スペースから階段を登った建物の二階にあるのですが、そこはガラス張りになっているため外と変わらず御船山を眺めることができ、室内でありながら開放感すら感じる造りになっています。
そして、この休憩室のすごいところは、ちょっとしたスイーツをつまみながら休憩できるところなのです。
休憩室内の中にはドライフルーツにしたみかんや玉羊羹、そして塩や塩プリンといったおいしく塩分補給できるものまで用意されており、充実のライナップとなっています。
さらに水分補給するための水や温かいお茶、デトックスウォーターもあり、スイーツや飲み物を選ぶのも楽しみのひとつになっているのです。
個人的に特に気に入ったのは塩プリンでした。
なめらかな食感と絶妙な甘さのプリンになっており、何これ箱買いしたいと思うほどの驚きの美味しさです。
自他ともに認めるプリン好きな筆者ですが、まさか個人的なめらか系プリンランキングの上位に食い込んでくるプリンとらかんの湯でで会うことになるとは思ってもみませんでした。
サウナシュランの審査項目でもあるホスピタリティですが、そりゃ3年連続グランプリ獲るよなと勝手に納得してしまいましたし、訪れた人全員を感動させる行き届いたサービス精神を感じました。
アクセス
車:九州自動車道経由長崎自動車道~武雄・北方IC~国道34号線で5分。下西山交差点左折1km。
車以外:JR佐世保線武雄温泉駅下車、タクシー10分、又はバス12分。
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