転職があたりまえの時代となった昨今の日本。
新卒として就職する社会人1年生は、そのほとんどが3年以内の転職を視野に入れた状態で社会人生活をスタートしていると言われています。
かくいう筆者も新卒で入社した会社を1年弱で辞め、完全未経験ながらITエンジニアへと転職したひとりです。
ITエンジニアとは、情報技術(IT)を用いて、ソフトウェアやシステムの開発や運用を行う専門家のことで、ITエンジニアには、高い技術力や知識が求められます。
しかし、たとえ大学で情報工学などを専攻していなくても、プログラミングが未経験だったとしてもITエンジニアになることは可能です。
とはいえ、一体どのように転職活動を進めればいいのでしょうか?
今回は未経験からITエンジニアになる方法を、必要な3つの要素に分けて紹介していきたいと思います。
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入社1年目で転職を決意したきっかけ
新卒で入社した会社は田舎にある会社で、本社が山と川に挟まれていました。
冬、正門をくぐって事務所へと向かおうとすると山から冷たすぎる向かい風が吹き下ろしてくるのです。
大きな会社だったので公務員ばりの抜群の安定性もあり、先輩や上司の姿を見ると10年後、20年後の自分の姿を容易に想像できます。
コツコツと仕事を続け、いずれ家族を持ち、家を買い、ゆっくりと出世していく。
しかし、安定と引き換えに会社に縛られ続ける人生。
これから何十年もこの環境で会社と家を往復する毎日の先に、自分の理想とするライフスタイルが待っているとはとても思えなくなった自分に気づいて転職することを決意しました。
そして自由なライフスタイルを求めてITエンジニアへと職種を変えることにしました。
理想の働き方を決める
一口にITエンジニアと言っても、さまざまな分野があります。
どのような職種があって、どのような仕事をしているのかを把握し、自分のやりたいこととマッチする職種を探しましょう。
とはいえ、未経験で細かくエンジニアとしての方向性を決めてしまうのも選択肢を狭める要因となり得るので、おおまかに理解しておくくらいの気持ちで大丈夫です。
開発系エンジニア
開発系エンジニアとは、システムやソフトウエア、WebサイトやWebアプリの設計および開発を行うエンジニアのことです。
開発系エンジニアにも様々な種類の職種があり、システムエンジニアやプログラマーなどITエンジニアを想像したときに真っ先に思い浮かぶのは開発系エンジニアなのではないでしょうか。
ソフトウェアやアプリケーションの開発において、創造性や論理性、問題解決能力などが求められる職種であり、常に最新の技術やトレンドに対応できるように、自己学習やスキルアップを行う向上心も必要です。
最近ではAI(人工知能)技術を用いた開発やビッグデータの解析を行うAIエンジニアと呼ばれる人たちも現れています。
AIは今まさに発展している分野であり、これからさらに需要が拡大してくのは間違いないので将来性は抜群です。
インフラ系エンジニア
インフラ系エンジニアはサーバーやデータベース、ネットワークといったITインフラを設計および構築し、問題なく動くように運用・保守を行います。
システムやソフトウェアの安定性や効率性を高めるため、開発系エンジニア同様、常に最新の技術や知識を学び、応用していく向上心が求められる職種です。
また、インフラエンジニアは、開発エンジニアやユーザーなどと協力して、システムの要件や仕様を把握し、最適なソリューションを提供する能力も求められます。
インフラエンジニアは、情報システムの土台を支える重要な役割を担っています。
AWSやMicrosoft Azureなどクラウド技術のニーズが高まっているため、特にクラウドエンジニアの職種だと言えるでしょう。
なりたい職種に必要なスキルを身につける
未経験の業界に飛び込むにあたって、事前に勉強しておくことは大切です。
近くにITエンジニアの友達でもいれば教えてもらえることもあるかもしれませんが、同じ環境には同じ境遇の人しかいないことの方が多いため、自力でスキルを獲得する必要があります。
自力で勉強していく中で資格などを取得しておけば、転職活動の大きなアピールポイントになることは間違いありません。
そんな孤独な転職活動においてスキル獲得の助けとなるサービスが現代にはいくつか存在するので、これから紹介する方法でスキルアップを目指してみるのはいかがでしょうか。
オンライン教材や動画を利用する
オンライン教材や動画は、インターネット上で好きなときに好きなだけアクセスできる勉強ツールです。
プログラミング言語やフレームワーク、ツールなどの基礎から応用まで、幅広い内容を学ぶことができます。
サイトのデザインもポップで楽しげな雰囲気のサービスも多く、オンライン教材の中で実際にコードを書いたり、演習問題を解いたりすることができるため、ゲーム感覚で理解度を深めることができます。
progeteというサイトが有名で、無料のコースも多く提供されているため、とりあえず勉強を始めてみたいという方にぴったりです。
もっと深く勉強したいと思った場合は課金してみるのもいいかもしれません。
書籍や雑誌を読む
書籍や雑誌は、ITエンジニアに必要な知識や情報を体系的に学ぶことができる、ある種アナログな勉強ツールです。
パソコンもWi-Fi環境も電源タップも必要ないため、どこにいても隙間時間に勉強することができるというのがアナログの強みですね。
プログラミング言語や技術の基礎や応用、最新のトレンドや事例など、幅広い内容をカバーしています。
図や表などの視覚的な要素も多く、理解しやすいだけでなく、直接手で書き込めるため、自分だけの最強の参考書を作り上げていくことも可能です。
高校生の頃を思い出しながら参考書に向き合うのも良い勉強方法のひとつでしょう。
プログラミングスクール
オンラインで自宅にいながらITエンジニアに必要なスキルを学ぶことができるプログラミングスクールも有効な学習ツールです。
「駅前留学」なんていうサービスが以前流行りましたが、ITエンジニアに必要なスキルはどこかに通う必要などなく、自宅でもWeb制作・プログラミング・アプリ開発を学ぶことができます。
とくにオススメなのはTechAcademy(テックアカデミー)です。
現役のエンジニアから今まさに活用することのできるスキルを学べるだけでなく、転職の支援や副業の仕事紹介まで寄り添ってもらえるサービスです。
現役エンジニアのパーソナルメンターがついてオリジナルサービスやオリジナルアプリの公開までサポートしてもらえて、自分のオリジナルサービスやアプリを開発しながらプログラミングを実践的に学ぶことができます。
わからないことはいつでも現役エンジニアのメンターに相談することができます。 現在は、6つのコースがありいずれも最短4週間で完結します。
これを活用するだけで転職までクリアしてしまうかもしれないサービスなので、独学でスキルを学ぶことに限界を感じた方はぜひ活用してみてください。
転職活動をはじめる
「なりたい職種に必要なスキルを身につける」という項目を作っておいてあれなんですが、もっとも効率の良いスキル習得方法は、実際に働いてみることです。
そのためには見切り発車的に転職活動を始めてしまうことが効果的です。
ここで働きたい!と思えるような会社が見つかれば、自ずとそこで必要とされるスキルがわかり、ピンポイントでスキルアップすることができるはずです。
ゴールから逆算して、最短でITエンジニアへの転職を成し遂げましょう。
転職活動を行う中で、自分がより輝ける会社を探す方法は主に2つあります。
- 転職サイトで探す
- 転職エージェントに紹介してもらう
もちろん知人の伝手などで転職先を見つけるパターンもありますが、自力での転職となるとこのどちらかになります。
転職サイトで探す
大学生の頃の就活と同じような転職スタイル。
希望する条件を思いのままに入力して、ヒットした会社の中から応募する先を決めます。
転職サイトのメリットには以下の2つがあります。
- 自分のペースで転職活動を進められる
-
転職サイトで検索して、気になる企業に応募するスタイルなので、隙間時間など自分の好きなタイミングで転職活動を進めることができます。
誰に焦らされるわけでもないので、疲れた日はやめとくことも可能。
これはメリットでありデメリットでもあるかもしれません。
- 想定外の出会いがある
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いろんな条件で検索するうちに、想像もしていなかったけど意外といいかも、と思えるような企業を見つける瞬間があります。
本屋さんで面白そうな表紙の本を手に取る感覚です。
転職エージェントに紹介してもらう
最近、テレビCMなどでよく見かける転職スタイルです。
転職エージェントにどんなところで働きたいか希望を伝えて、合いそうな会社を紹介してもらうことができます。
転職エージェントを利用するメリットは以下の通りです。
- 会社との給与など待遇面の交渉を仲介してくれる
-
転職するにあたって、年収や福利厚生など待遇面は重要なポイントですよね。
かといってなかなか給与の交渉などを自分でガンガンできる自信があるという人は少ないのではないでしょうか。
そんなときに会社と自分の間に立って交渉してくれるのが転職エージェントです。
- 求人情報からだけではわからない実情を教えてもらえる
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求人情報にあまり良くない実情を書く会社があるわけありません。
転職エージェントは会社側を詳しく把握するために、人事担当などと密に連絡をとっています。
文章では隠せても、働く人から滲み出る雰囲気はなかなか隠せない物です。
そういったリアルな実情を聞くことができるのも転職エージェントのメリットと言えるでしょう。
- 非公開求人を紹介してもらえる
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通常の求人サイトには載っていない非公開の求人情報を教えてもらうことができます。
人気企業などは公に募集してしまうと応募が殺到してしまうため、転職エージェントを介して効率よく優秀な人材を確保しようとしがちなのです。
まとめ
実体験をもとに未経験からITエンジニアへと転職する方法を紹介してきましたが、ざっくりと方向性だけ決めたらとりあえず動いてみることが一番大切です。
転職活動の良いところは、今の会社で働きながら転職活動しているうちはノーリスクだということです。
より良い条件の会社を見つけたら転職すればいいし、見つからなければ今のところで働き続けることだってできます。
勉強を始めてみないとわからないこと、転職エージェントと話してみないとわからないこと、そして最後は転職してみないとわからないことが多くあるので、転職に興味を持ったのならまず一歩踏み出してみてください。
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